第15章 青の日々 (及川徹)
それからなんとかして接点が欲しかったんだけどクラスも部活も違くて苦労した。この及川さんがだよ?
少しずつ話せるようになって、連絡先も交換して貰えたんだけどなんだか渋々に見えたんだよなあ。ほんと釣れない子。
だから廊下ですれ違う度に声をかけてた。
「ちゃんおはよう!」
「ちゃん前髪切った?」
「ちゃん!」
「ちゃーん!」
こんなに分かりやすくアピールしてるのになんでよりにもよって…
「なんかお前背ぇのびた?」
お前?ちゃんにお前って言った!?
『昨日保健室で測ったら2cm伸びてた。岩泉は?』
いやいやなんっっで岩ちゃんと仲良くなってんの!?
「ちょっと岩ちゃん!!?」
「んだよ」
「ちゃんは俺が先に見つけたんだよ!」
「はあ?何言ってんだボケ川」
『ぼけかわーっ』
「ちょっと可愛い顔して何言ってんの!?岩ちゃんちゃんに変なこと教えないで!!
2年生になった俺たちはだんだん3人でいることが増えた。告白だって全部断ってたしデートのお誘いだって、女の子絡みのものは全部全部断ってた。ちゃんが振り向いてくれる気配は全く無かったけど軽い男だと思われたくなかったからね。
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3年生にあがると3人揃って同じクラスだった。きっと俺の愛が通じたんだなあ。
「ー」
『なーに岩泉』
「週末の試合見に来る?」
『試合?あぁなんか言ってたね。でも私ルールとかよく分からないし。』
「いいって来いよ、バレーおもしれえから」
『わかった、詳細メールでよろしく』
「え!ちゃん試合見に来てくれるの!?」
『さあね』
「ちょっともー!どっち!?」
ひらひらと手を振って帰っていった彼女は結局試合をちゃんと観に来てくれた。俺はそれが嬉しくて嬉しくてサービスエース連発。いやあ、愛のパワーってほんとすごいね。