第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
「俺はのことちゃんと好きだよ?」
『…うん』
真っ暗な部屋で何度もキスを落としながら好きだと言う。
「そんなに怯えないでよ。好きな子と気持ちいことしたいだけ。動画だって最初は自分で見るために撮ってた。本当だよ。」
『なんの…ために…?』
「なんのって、それ聞いちゃう?1人でする時に見るためだよ。とのえっち見ながらすんの超気持ちーの。だから怒んないでよ。」
事後に私を抱きしめながら優しい声で言う。すごくすごく優しい声なのに身体の芯は冷えたまま震えてるみたいだった。
『消して…ほしいの。』
「だめだってば。俺のオカズ無くなっちゃうじゃん?」
『せめて他の人に送るのはやめてほしい……』
「うーん。こんなに可愛い彼女抱いてんのは俺だって自慢したいからなぁ。女の子のには分かんないことだよ。」
もう何を言ったって無駄に思えて抵抗するのさえ嫌になる。拒めば拒むほど喜んでいるように思えるから。
「あ、そうだ。俺は別に元のチームメイトと会うなって言ってんじゃないからね?」
『そ、っか。』
「会ってもいいけど俺以外とシたら許さないから」
優しかった声色が低く冷たくなった。
『分かってる…そんなことしないから。』
「うん、いい子だねは。こんなえっろい身体…俺だけが知ってればいいんだよ。」
『…っん、』
まだ衣服を纏うことを許されていなかった素肌に先輩の指先が這う。身体のラインをなぞるように触られて思わず声が漏れた。
「あー…また勃ってきちゃった。がえろい声出すからだよ。責任とってね。」
『や…もう今日は…っあ、んは…ッ』
「ははっ、えっろい声…俺のちんこ奥まで咥えちゃって堪んないよ。」
揺さぶられながら考えるのはいつも決まって同じこと。早く終わって欲しい…。私はただ時間が過ぎるのを待つだけ。心がすり減っていくこの行為をあと何回すれば解放されるんだろう…。