第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
『あ、え…おさむくんの色違いですか…?』
「…え?」
「…っふ、あはは!治の色違いって…お腹痛い…っはは!」
侑の顔を見るなり同じクラスにいる治にそっくりだという認識から色違いですか?と聞いてしまう彼女。なにそれ面白すぎるでしょ笑
「っだ、誰がサムの色違いやねん!どっちかっちゅーとあいつが俺の色違いや!」
『ご、ごめんなさい!すごく似てるから…っふ、双子だよね…っ普通に考えたらすぐ分かるのにごめんね!』
「あー笑った…ははっ」
「こら角名なにわろてんねん!」
「いやこんなの笑うでしょ」
3人で並んで体育館へ入ると真っ先に振り返ったのは北さん。
「ギャラリー以外に女の子が来るなんて珍しいな、どないしたん?それに随分でっかいジャージやな。角名のやんか。」
『あ、えと、今日から稲荷崎高校に来ました!2年のって言います。中学生の頃から男バレのマネージャーをしてて、ここでも皆さんのサポートができたらなって。』
「せやから角名にジャージ借りたんやね。俺は3年の北や。こんなんでも一応キャプテンやらせてもろうてます。好きに見学して行きや。」
「あ、北さんこの子俺の中学の時の同級生で。そのときもマネしてくれてたんですけど仕事出来るマネで有名だったんでいてくれたらめちゃくちゃ助かると思います。」
「へえ、ほんなら運命の再会やなあ。せやったら見学といわず仮入ってことにしよか。俺らの代はマネージャーいた事ないねん。やからさんが思うようにやってくれてええよ。」
良かった。
北さんのお許しが出たならもう大丈夫。