第13章 お気に入り(松野千冬)
バスルームの熱気の中で思考が奪われていく。早くさんと繋がりたい。
俺の脚の間に座って上体を預けている彼女。濡れた髪も蒸気した頬も触れる肌も何もかもが艶めかしくて、あなたを知る度溺れていく。
「さん好き…」
『今日はいつにも増して素直だね』
「でも俺がさんのこと好きなのずっと気づいてたでしょ」
『うん、聞いても好きだって答えてくれなかったけどね。』
「あの時は…っもっとずっと手の届かない存在に見えてて…周りには場地さんも三ツ谷くんもマイキーくんもいるし。俺なんか眼中に無いんだろうなって思ってたんすよ。」
だから今が夢みたいで。
もし夢なら醒めないで。
『ねぇまたおっきくなった…』
「だってこんな近くにさんがいたら俺…無理です。さっき出したのに自分でも意味わかんねぇぐらい興奮してて。」
ピタリと密着したまま我慢なんてできずに華奢な腰に擦り付ける。柔らかな膨らみに手を伸ばせば吸い付くみたいにふわふわしてて気持ちいい。
『…っぁあ』
「その声まじで好きえっろい。」
『…ん、んっ』
「可愛い…その声で俺の名前呼んでさん」
『ちふ、ゆ…くんっちふゆくん…っ』
この熱っぽい声に呼ばれるのが好き。
まじで下半身に響く。
「さん好き。」
『私も好き…んぁっ、ンっ噛んだ…?』
美味しそうだと思った時にはもう真っ白な肩に歯をたたていた。うっすらと付いた歯型さえ興奮材料になる。
「さん美味しい。ねぇもっと食べていい…?」
『ぇあ、だ、だめ…っんん!』
「噛まれるの好きですか?」
『ちが…っ』
「でも、ここ噛むと腰揺れてる。さんもシたくなってきました?」
『んん…っん、千冬くん意地悪しないで…っ?』
顔だけを振り返って潤んだ瞳に見つめられては俺の理性もここまで。