第13章 お気に入り(松野千冬)
「さ…っあ、んん…ッ」
『千冬くんの余裕のない声好きよ。可愛い。』
可愛い可愛いって…何回言うんだよ…俺は、
「さん俺男…ですよ?」
『うん、だから分かってるってば。でも私にされるの好きでしょ?』
「…すき、です…っ」
『さっきは夢の中だと思ってたのかもしれないけど…好きって言ってくれたもんね?』
言った…絶対言った。
夢の中だからいいやって思って…好きって言った。直接伝えるのが怖くて、夢の中のあなたに好きと言った。
「あの…あれは、その…っ」
『やっぱり私の事好きなんだ?』
「えと…えっと…俺は、」
『好きじゃない?』
「や…っ好きです…!」
『好きなんだ?』
ああもう…もう、もう…!
「好きっすよ…!こんな全裸で言いたかねえっすけど!」
『千冬くんからの告白いただきました♡』
「好きですさん…俺じゃダメ?」
もう全部言っちまえ。
どうせ好きってバレてたんだ。
告白されてもこの余裕だもんな。
さんはきっと男に慣れてる。
俺みたいな恋愛初心者に靡くわけねえんだ。
でも、でもさ…
好きになったからには振り向いて欲しいだろ。
『私も千冬くんのこと好きよ。でも恋とか愛とかよく分からなくてね、それが分かるまで待っててくれる?』
「え、待つよ。待ちます…っ!」
あれ…嘘…チャンスあり?
いくらだって待つ。
『じゃあ続き…しよっか?』
「え、…っあ、ぃあ…ッん!」
止めていた手を再び上下に動かされて刺激が絶え間なく送られる。身体が熱い。2度も寸止めされたせいで気を抜けば今すぐにでも出ちまいそうになる。
『腰動いてるよ?出そう?』
「んあ…っあ、さん…っイ、く…!」
『いーよ、いっぱい出そうね』
「ぁあ、あっイく…出るっさん…イ"く!」
ぁあ無理…ッ、はあ…あ…やっべえめっちゃ出た…
『わあ…いっぱい出たねえ』
「ごめ、なさい…っまた汚しちゃった…っ」
『お風呂なんだから気にしなくていいのに。』
告白保留にされた直後にイかされるって…。情けなさ極まりねえ…俺もいつかさんのこと…。