第13章 お気に入り(松野千冬)
さん…さん、好き。
俺とは違う艶やかな黒髪に指を通してひと束掬いあげる。不思議そうに俺を見つめたあとすりすりと俺の手に頬を寄せる。その口元にはいまだに俺のモノが咥えられてて…おかしくなりそうだ。
…っは、あ…気持ちい、ンん…っ
『腰浮いちゃってかぁわい…』
可愛い可愛いって…俺だって男だっつの…。
でも、あー…くっそ気持ちい。
夢の中なのに…俺の身体はこんなにもさんを覚えてるんだ。できることなら毎日この夢を見たい。
でもそろそろ…
「さんこっちきて」
『ん…』
「っん、口…離して…ッ」
半ば強引に彼女を引き上げて夢の中とはいえ俺は初めてさんを組み敷いた。
『ちふ、ゆくん…?』
さん驚いてる。可愛い。
この幸せな夢から覚める前にできるだけあなたに触れたい。柔らかい唇に何度も口付けて舌を滑り込ませる。いつもは緊張して上手くできないけど、これは夢だから。だからもっと触れたい。たとえ夢でもあなたの熱を感じたい。好き。好き…好きです。
「ん…ふ、はあ…っ」
『もう…どうしたの…っ?』
「ん。もっと…もっとしよさん。キス気持ちいでしょ…。」
『ん…っん、ちふゆく、ん…ッ』
「さん可愛い…好き…っ」
にゅるりと絡む舌も上がる体温も少なくなる酸素も…全部が心地いい。こんなに触れられるのは夢の中だけ。俺の頭の中が見せる都合のいい夢。いつもできないことができる。ずっと触れてみたかった膨らみにだって簡単に触れられる。どれもこれも夢だからできること。
だからほら…本物のさんの胸はこんなにふわふわしてないはず。もっとこう…可愛らしいサイズっていうか。別に大きさにこだわりは無いけどね。夢の中のさんはふわふわサイズだったってだけ。男のロマンてやつ…です。
あーくそ、勃ちすぎて痛え