第12章 伝えたいことは (黒尾鉄朗)
『鉄朗とは友達に戻りたい。』
中学生活最後の日。卒業式。
初めてできた彼女にフラれた。
大好きだった。
卒業式終わったら話があるっていうから第2ボタン握りしめて彼女んとこに行ったんだけどまさか別れ話だとは思わなかったな。
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「ねえちょっとクロ聞いてる?」
「え、あ。ごめんもっかい言って」
「はあ…どうせまたのこと考えてたんでしょ。いい加減諦めなよね。」
「いつもいつも俺の頭の中見透かすのいい加減やめてもらってもいいっスか研磨さん…。」
高校2年になった今も彼女のことが忘れられずにいる。なんてったって高校一緒ですからね。
まあ超ラブラブだったから進学先一緒にしちゃったわけよ。
別れるとかまじで思ってなかったし。
いまだに何でフラれたか分かんねえし。
俺ら男バレのマネージャーだったを中1んときに好きになって。付き合うまでそう時間はかからなかった。
「あの2年半は幻かなんかだったのかねえ」
「今も普通に仲良くやれてるんだからいいじゃん。友達に戻れただけ良かったと思いなよ。」
「まあ、そうよねえ。
別れて金輪際さよならパターンもありますからね。友達に戻れただけまだ…ね。」
「ていうかこの前俺のクラスの人がに告白してたよ。」
「あぁ…そう。結果は?」
「まあ振られてたけど」
「何人目だよ…」
「普通に可愛いし性格いいし男は放っておかないよね。」
そうだよなー。普通に考えてくっそ可愛いのよ。なのに彼氏作る気配ないからまだ俺にもチャンスあるかなーとか思っちゃうわけ。
しっかし先輩後輩関係なく人気者。
もちろんいわずもがな同級生からも。
研磨の言う通り可愛い上に性格いい子なんてそうそういないからね。おまけに人当たりまでいいもんだから取り合い必須。
中学んとき付き合えたのが奇跡だったのかもしれない。高校にあがってから可愛さに磨きかかりすぎて魅力が底なしなのよ。
「俺にもまだチャンスあるかな」
「知らないよ。でもまあ少なくとも今は彼氏いないみたいだしゼロではないんじゃない?」
「だよな」
「ていうかクロだってファンいるじゃん」
「あー…あぁ。でもアイツは試合見に来てくんねえから意味ねえよ。」
「観に来てっていえばいいのに」
「断られたらヘコむから無理でーす」