第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
朝起きると特有の気だるさがあるものの、ガウンを着ていて体もベタつかない。お風呂に入れてくれたのかな。いつのまにか竜胆くんの腕の中で眠っていたみたい。
「あれ…おはよちゃん」
『おはよう、ごめんね起こしちゃったかな』
「ううん。昨日は無理させてごめんね。体平気?」
『腰が…少し痛いかな。』
「じゃあ俺がお世話してあげなきゃ。」
そう言って嬉しそうに私の腰をさする竜胆くん。
あ、薬飲まなきゃ。部屋に戻らないとないな。
『…そろそろ自分の部屋戻ろうかな。』
「え、やだ。行かないで…?」
『でも私今日…』
「知ってる。ボスと旅行でしょ?でも夕方の便だよね?それまでここに居てよ。」
薬は最悪今日中に飲めばいいもんね…うん、大丈夫。
『分かったよ。ここにいるね』
今日から夕方便の飛行機に乗って1週間ほどプーケットへ行く。ゾウと写真とりたいなぁ〜と私がポロッと言ったのがきっかけ。それを聞いていたマイキーがすぐにこの旅行を提案してくれた。
ゆっくり旅行なんて随分いってなかったからすごく楽しみ。本当は皆で行きたいけどそれはきっとすぐには叶わないから今回は私とマイキーの2人だけ。
ぺたぺたと足音が近づいてくる
「」
寝室の前で止まった足音。私の名前を呼んだその人はがちゃりとドアを開けて近づいてくる。
『マイキー?ノックくらいして』
「今更見られたって減るもんじゃねえだろ」
『やだよ恥ずかしい!それで用はなに?』
「いや別に。会いたくなっただけ。竜胆とよろしくやってたみたいだけど。邪魔したな。」
布団の中で私の手を握る竜胆くん。
『あとで会うのに…どうしたのマイキー』
「…ちょっとやな夢見ただけ。」
そう言って近づいてきた彼と唇が重なる。
『っん、まい、き…』
「愛してるよ。じゃあまたあとで。竜胆も邪魔して悪かった。」
「いや別に…」
「布団の中での手掴んでる奴が何言ってんだよ。無理やり攫ったりしねーから。」
ひらひらと手を振って部屋を出ていくマイキー。嫌な夢って…なんだろ。あとでたくさん甘やかしてあげようかな。
「ちゃんいつ帰ってくる?」
『1週間くらいかな?』
「そっか。長いね。」