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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



信介くんたちにとって最後の春高。

烏野高校という宮城県の代表校に負けて3年生は引退した。とてもいい試合やった。最後、稲荷崎コートにボールが落ちた瞬間の信介くんの瞳が忘れられへん。もっと戦いたかったって…そういう目をしてた。

兵庫に戻ってきた信介くんを迎えに学校へ行くと何やら宮くんと話しこんどった。咄嗟に隠れてしまったけど盗み聞きするんは罪悪感やな。

「侑、ほんまありがとな」

「え?」

「お前たちがおらんかったらここまで来られへんかった。最高の景色見せてくれてありがとう。自慢の後輩や。」

「…そんなん俺たちやって。こんなアホみたいな2年をまとめられるんは北さんしかおりません…ほんまにお世話になりました。」

「まあ、それとのことは…誰の彼女に手ぇ出したんか分かっとるよな?」

自分の名前が出されて心臓がきゅっとなる。

「…そ、れは…っ」

「ははっ、冗談や。俺も正直侑が相手やって分かっとき焦ったんよ。俺には勝てる要素あらへんしな。それでものこと離せんくらい好きやねん。」

「そんなことないです。さんと過ごしてきた時間も信頼も、俺は北さんに一生敵いません。せやけど俺も諦められへんです。こんなに好きになったんは初めてですから。」

「そうか」

「でも、さんには1番幸せになって欲しいから…残念やけどその役目はきっと俺じゃなくて北さんです。好きやからこそ今は北さんに譲ります。泣かせたらすぐ攫いますから!」

「泣かせへんよ。世界一幸せにする。」

「…っ、はい。」

そこまで聞いて私は学校を離れた。居てもたってもいられんくて…涙が止まらんかった。結局私は2人に甘えてばかりやった。やっぱり信介くんが好きやと気づいた私は、ここまで許されないことを何度もしたのに…2人は許すどころか幸せを願ってくれた。

一生をかけて信介くんを想い続けよう。

宮くんの幸せを願おう。



数年後…小さな頃にした信介くんとの約束が現実になるのを私たちはまだ知らない。



to be continued…?
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