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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



「今日は家まで送っていいですか」

『あ、うん』

最後やしって情けかけてくれてるんやろな。
俺は絶対諦めへんし最後とか思うてないけど。

「北さんのこといつから好きなんですか」

『え?』

「知りたい。好きな人のことやから。」

『ずっと前からだよ。小さい時。
人見知りで他人に心を開かない私を理解してそばにいてくれたんは信介くんやったから。』

そう言って優しく微笑むさんは俺が見たことのない表情やった。

「そっか。ええな幼馴染…。」

『こんなの私が聞くのもおかしいけど、どうして宮くんは私を好きになってくれたの。』

「1年の時に体育祭で初めて見かけて、最初は見た目がドンピシャタイプやってん。」

『あ、え…見た目…か。』

さんが1番嫌がるんは見た目で寄ってくるやつ。分かっとる。でもそんだけでここまで好きになったんちゃう。

「めっちゃクールで綺麗な人やなって思った。けど女子同士で話してるとことか、気を許してる人と話しとるさんの笑顔みたら先輩のこともっと知りたなった。」

俺がどれだけさんを思っとるか、伝えられる時にめいいっぱい伝えたい。俺やってさんの中身見とるし。北さんだけなんて言わんでや。

『な…なんか照れる、なぁ。聞いといてごめんやけどこの話おしまいにしよ…?』

「え、まだあるんやけど!」

『恥ずかしいからおしまいや!』

「んーやっぱめっちゃ好き。
1年の時はこんな話せるとか思わんかったし…もっと近づきたいってどんどん欲張りなるわ。」

俺しか知らんさんとか…おらんかな。まだおらんか。可能性ゼロちゃう気がするんよな。奪ってまで欲しくなるなんて思いもせんかった。

『ほんま宮くんはぐいぐいやな。
…好きになってくれてありがとう。
宮くんとおるの楽しくて好きやったよ!』

また学校で、と手を振っていつのまにか見えてきていたさんの家の方へと俺に背を向けて行ってしまった。

「好きやったって…終わりみたいな言い方せんでよ」
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