第10章 約束 ( 北信介 )
「さーん!
おはようございまーす!!!」
背後から近づいてくるもの凄いスピードの足音と、この声は絶対に宮くんや。
『そんな走ったら転ぶで宮くん』
振り返らずに言うと
「え!振り返らんと声で俺って分かるん!?
もー、さんてばー♡」
『何言うてんの、誰だってわかるやろ』
「今日も冷たいわぁ…でもそんなとこも好き」
『元気でなによりや』
私は信介くんの彼女になったんやもん。
宮くんにもちゃんと言わなあかん。
「さん今日も可愛ええ」
『何言うてんのほんまに、私寝起きやけど』
「寝起きでこの可愛さはやばいですって」
『あのね宮くん私 「侑ー??おはよー」』
「あ、角名やん!おはようさん!
ほな俺角名と教室いきますね!
ばいばいさんまたあとでー!」
『あ、うん』
またあとでって放課後のことやろか。
毎日送る言うてたもんな…
でも信介くんと付き合うてるし断らないかん。
「おはようさん。」
『あ、おはようさん信介くん』
起きれなかった私よりも先に学校へ来ていた信介くん。頭をふわりと撫でてそのまま自分の教室へと入っていった。
朝からきゅんきゅんしてまう…。
私の彼氏やでって叫びたい。
「あ、おはよ!
今日も綺麗やね!」
『おはようさん』
隣の席のやつ。いっつも元気やな。
しつこさで言うたら宮くんも負けず劣らずやけど、宮くんの方が可愛げあるんよなぁ。後輩やからかな。
なんとなくで受けている授業はあっという間に過ぎていき、昼休みを告げるチャイムが鳴る。
「、一緒に昼飯食わへん?」
教室のドアからひょこっと顔を出したのは信介くん。手に持ったお弁当を私に見せてヒラヒラとしている。
『今行く待って!』
「ゆっくりでええよ」
「おい北!俺の目の前でを昼飯に誘うなんていい度胸やな!俺もと一緒に食いたい!」
またこいつだよ…ええ加減にせえよほんま。
『なんであんたと食わなあかんねん』
「自分の彼女昼飯に誘って何が度胸や」
「は…え、北お前今なんて…?」
『信介くん行こ』