第10章 約束 ( 北信介 )
『し…ん、すけくん…っ?』
「触るだけや、嫌やったらやめる」
『ちが、嫌なんちゃうくて…っ!
こういうの初めてやから…その…』
「俺も初めてやから大丈夫やで。
怖いことも痛いこともせぇへんから。」
素肌に指が触れる度に勝手に身体が反応してしまう。恥ずかしくて行き場のなくなった手を信介くんの背に回してみる。
「なんやしがみついて。気持ちええの?
さっきからピクピク反応しとる。」
『ん…んっ、わか、んない…ッ
こんな触られ方するん初めてやから変な感じすんねん…信介くんのもさっきより…熱い?』
「好きな子に触れてんねやから当たり前や。こういうの興味無かったんやけどな…は別みたいやわ。」
『あ…っん、信介くん…ッ』
こんな感覚知らない。
身体が熱い。
「そんな声で名前呼ばんといて。
止まらなくなりそうや。」
かぷっと首元に優しく歯を立てた信介くん。
その隙間からチロチロと往復する舌。
『な…っにそれ…んぅ、やだぁっ』
「こらこら逃げたらあかんよ。の気持ちいとこ探してるんやからじっとしててや?」
『ん…はあっ、し、んすけ…くん』
「ちょっと虐めすぎたかもしらんな。
もう寝よか、続きはまた今度な?」
そう言って触れるだけのキスをくれる。
『もぅ…ばか信介くん…。』
「の反応が可愛すぎやねん。
ほんま止まらんくなりそうやったわ。」
『もう…っ』
まだ収まらない身体の熱を誤魔化すように信介くんに背を向ける。恥ずかしすぎて向き合って寝るなんて無理や。
「そっち向いて寝るん?まぁ、後ろからでも抱きしめられるからええか。少しづつ慣れてこな?」
『ん…ぅん…』
信介くんが私の彼氏なんて夢みたいや。
今起きたことも全部ほんま夢みたい…。
背中から回ってきた信介くんの腕に包まれて、私は意識を手放した。