第2章 狂おしいほど愛してる(梵天)
┈┈┈┈┈いつの間に眠っていたのだろうか。
am2:00
隣には裸で寝ているはじめくん。
スースーと寝息をたてて私を抱きしめている。
そうか、今日ははじめくんとシたのか。
綺麗な白い髪の毛にそっと触れてみる。
毎晩誘われるまま気の向くままに
誰かの部屋に行ったり誰かが私の部屋を訪ねたりして体を重ねている。誰かに求められることは嬉しいこと。たとえそれが体であっても私を求めてくれることが嬉しい。ココにいていいんだと思えるから。
はじめくんも春くんも竜くんも…
私を抱く時に必ず愛を吐く。
〈好きだ〉〈愛してる〉〈俺のもんになって〉
それは私の体が欲しいから?それとも心?
わかんないよ…だから私はいつも応えない。
『はー…、お風呂入ろ…。』
そのまま寝落ちした体は汗やら色んなものでベタついていて1度目覚めてしまったからにはシャワーで流したかった。はじめくんの腕からそっと抜けて、起こしてしまっては悪いので自室のお風呂に入ろうとはじめくんの部屋をあとにした。
自分の部屋へ戻る静かな暗い廊下を歩いていると数メートル先のドアが開いた。あそこの部屋は確か…。
「…あれ、ちゃん?」
『あ、ごめん竜くん起こした…?』
「いや、喉乾いたからリビング行くとこ
ちゃんは?何してんのこんな時間に。
お前の部屋向こ…っ今までココんとこか…?」
朝の会話を思い出したのかはじめくんの名前をだす竜くん。なぜかすごく不機嫌そうに顔を顰めているようだけど暗くてよく見えない。
『あー、うんそうはじめくん。』
「…ちょっときて。」
『え、あっ』
グッと腕を引っ張られて竜くんの部屋に引きずり込まれる。気づけば私は竜くんの腕の中にすっぽり収まっていた。
『り…んくん?』
「…ちゃん。好き。」
…っ。どういう好き…?
『竜くん?飲み物取り行くんじゃ…ンッ』
「んは…好き…好き…ンッ」
私の言葉を遮って竜くんの唇が重なる。
いつにも増して求めるようなキス。
竜くんの唇から愛を感じ取れるような
甘くて激しい…だけど優しいキス。