第9章 歪想 (羽宮一虎 / 場地圭介)
『ちょっとカズくん』
「んぁ?」
『ほっぺた赤いよどーしたの?』
俺の頬に触れる小さな手。
心配そうに覗き込む大きな瞳。
「あーこれな」
『また彼女と別れたの?』
「あ?彼女じゃねぇよ別に」
『え?だって手繋いで歩いてたじゃん』
「ばっか、手繋いだくらいで恋人とか小学生でも勘違いしねえよ。あんなの遊びだっつの。本気にされてダルかったから切っただけ。そしたら思いっきりビンタくらった。そんだけ。」
『もー…女の子弄んだらダメだよ』
女なんて本気になられたら堪んねぇ。
ダルいだけだろ。ヤリたいときにヤれる。
そういうどうでもいい関係で十分。
名前とかいちいち覚えてねえし。
「お前は経験無さすぎ遊んで無さすぎ」
『私のことはいいでしょっ
ねぇカズくんいつか刺されるよ?』
ほんとに心配してるんだよって俺を見つめる。
「刺されちゃ堪んねぇな。
死んだらヤれねぇからな。ははっ」
『ちょっと私はほんとに心配してるのに。』
だからって1人に絞るとかめんどくせーの。
あぁでも…それなら
「じゃあが相手してよ」
『え…?』
「俺刺されたくねぇし。
も俺が心配なんだろ?
ならお前が俺の相手して?」
『ちょっと何言ってるの。
私たち…幼なじみだよ?』
「だから?可愛いし俺普通に抱けるけど?それに、お前が相手してくれんなら俺もう遊ばねぇからさ。な?いい話だと思わねぇ?」
『もうふざけないで!カズくんのばか!』
ぷりぷりと怒って俺に背を向けて帰っていく彼女。割と本気で提案したんだけどダメだったか?まぁ、また明日言えばいいか。