第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
くぁあ〜眠い…
体育のあとの座学ってほんと地獄…
寝よ。
『…』
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「…っ、…」
遠慮がちにツンツンとつつかれる感覚。
小さな声が私を呼ぶ。
突っ伏していた顔を少しあげると
私の腕をペンでつつく隣の席の柴八戒くん。
『…なーに?』
「つ、次…たぶん当た…るよ」
目も合わせずにそれだけを伝えてくれた。柴くんてあんまり話したことないな…っていうか女の子と話してるの見たことないや。なんなら女の子に話しかけられると無視してるイメージさえある。どうしてわざわざ教えてくれたんだろうと多少の疑問を抱きつつ、本当に次の問題を当てられた私は救世主柴くんに感謝していた。
授業が終わって休み時間。
彼はいつも休み時間のたびどこかへ行っているみたい。教室に友達がいないわけではなさそうだけど…どこ行ってるんだろ。
『柴くん!』
今日もいつものように席を立って教室を出ていこうとする彼を呼び止めてみた。
「っっ!!?」
名前を呼んだだけなのにビクッとしたまま顔だけを振り返って何も言わない彼。なになに、私まずいことした?
『あ、えと驚かせてごめんね?』
「…別に」
『えーっと、さっきはありがとう!
お礼に飲み物おごらせて?』
「…え?」
起こしただけで?って顔してるな。
私もそう思う…だけど仲良くなりたいと思ったの。初めて話しかけてくれたキミともう少し仲良くなりたいと思ったから。
『だめ?何か急ぎの用事あった?』
「別にないけど…でも起こしただけだし。」
『じゃあ私が喉乾いたから買うのついてきて!』
戸惑う彼の手を引いて自販機までやってきた。
『んー…何にしようかな。
柴くん何にするか決まった?』
「え、っと…じゃあこれ。」
これ、と指さしたのは飲むヨーグルト。
『これが好きなの?』
「あ…そう、かな。」
『そーなんだ、じゃあ私もこれにしよっと』
飲むヨーグルトを2つ買って1つを彼に渡した。
「ありがと。」
自販機の横にあるベンチに2人で腰掛けて
飲むヨーグルトにストローをさした。
『これ飲んでるからそんなに背高いの?』
「…え?背?」
『そう、柴くん背高いじゃん』
「そ…かもだけど、これでかは分かんないや…」
んー…会話続かん!!!