第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
ヴォン―ヴォン―…
この排気音…ワカくんだ!
『ごめんお待たせ!』
「いや、早く着いちゃったから待ってようと思ったんだけど…排気音でバレたか笑」
『すぐ分かるよ〜』
なんやかんやでやってきた週末。
青宗とはじめ以外の人と2人きりででかけることなんてないから楽しみだったりする。
「んじゃケツ乗って」
ひょいっと投げられたヘルメットを受け取る。
『ワカくんのザリ乗せてくれるの!』
「あぁ、特別にな?」
元 煌道連合 総大将 “白豹” ワカ
元 黒龍 特攻隊長 “韋駄天” ワカくんが!!
うしろに乗せてくれるなんて夢みたいだ!
『…夢みたいっ』
「はは、そりゃ良かったワ」
『ねね、どこ行くの?』
「んー、いや俺女の子2人ででかけるとかないから全然分かんなくてさ、ほんときらの好きなとこ連れてくよ」
『んー、じゃあ海行きたい』
「りょーかい」
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「はい、着きましたよお姫様」
そういって私を抱き上げ降ろしてくれたワカくん
『ありがとう!
ワカくんのうしろちょー気持ちい!』
「そんな喜んでくれるならいつでも乗せるよ」
『え!ほんとに!?』
だってだってワカくんが後ろに誰か乗せてんのなんて見た事ない!
「青宗とはじめには内緒な?」
『…そうだね』
今日まで結局何回も何回も…昨日の夜だって青宗の家に連れ込まれて大変だったからな。にしてもワカくんとこっそり会うなんてバカみたい…。