第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
「〜」
『んー?』
「なんか2年の女の子が呼んでるよ」
『ん、今行く!ちょい待って!』
昼休み、お弁当を食べている私に声をかけてきたクラスメイト。2年生の女の子が私を訪ねて廊下で待っているらしく、食べいた残りのおかずを口にめいいっぱい詰め込んで廊下へとでた。
『ごめんねお待たせー…って、
ああ!キミ体育祭のときの?
えー…っと…、桜香(おうか)ちゃんだ!』
「あ、え、覚えてたんですか!?」
『そりゃ覚えてるよ〜
だって体育祭あったのついこの前だし!』
梅雨前の暑くなってきたくらいの時期。
すごく暑い季節ってわけでもないのに
体育祭の日ってなんであんなに暑いんだろう。
「え、っと…」
『うん?』
「その…体育祭のときはありがとうございました!」
『いえいえ全然?』
「えっとそれで…あの、これっ
これ…読んでくだ、さい…っ」
そう言って手渡された真っ白な封筒。
おやおやこれはもしかして…?
『えっと…あの時はジャージだったから分かんなかったかもしんないけど…私が女って…ちゃんと分かってるかな?』
ジャージだと男と間違えられることが多々ある。
それで告白された事もあったし…
「も、もちろん分かってます!
先輩が女性だって分かってて…
だからこんなの初めてで私もよく分かんなくて…」
『そっか、それならいんだけどさ
えと、勇気出してくれてありがとうね。
今日の放課後予定あるかな?』
「き、今日ですか?特に…ないです!」
『そっか、じゃあ送るから一緒に帰ろう
2人きりの方が桜香ちゃんも話しやすいでしょ?』
「あ、はい…っ」
『じゃあまた放課後ね。
教室まで迎えいくから待ってて』
「わかりましたっ」
じゃあね、と手を振ってパタパタとかけていく彼女の背中を見送った。さて、どーするかなあ。恋人なんて作る気ないし…そもそも族の総長だってことをあの子は知らない…それに私がロングヘアって知ったら幻滅するかも?
「」
『はじめ?』
「今のだれ」
『2年生の子だよ。
ほら、私が体育祭のとき保健室まで運んだ子』
「あぁ…それでお前に惚れたって?」
『まあそんなとこ。』
「相変わらず女子人気もすげえな」
2人にはあんまバレたくなかったんだけど
まあ青宗にバレてないだけまだいっか…。