第5章 王様ゲーム (東京卍會)
プルルルルルルル
時計の針はもうすぐ今日の終わりを告げる
今日もしつこくかかってくる電話
「もしもしー?」
『なーに圭介くん』
「最近三ツ谷ばっかじゃね?俺は?」
『先週会ったじゃん』
「もう1週間も経ったぜ?」
『何言ってんの1週間しか、よ!』
ピーンポーン
あ…嫌な予感。
外は寒いしほっとくわけにもいかないか。
『…ちょっと!何勝手に…んッ』
「だってすげえ会いたかったから…だめ?」
玄関の鍵を開けると同時、ガッと外側から勢いよく開かれたトビラから現れた圭介くん。いつも勝手に来て勝手に居座る。圭介くんに限ったことじゃないけど。
入ってくるなり私の腰を引き寄せ唇を奪う。
『ん…ちょ…っと圭介くんっ』
「まじで三ツ谷ばっかじゃん…?」
『な、なにが…っ』
気がつけばトン、と背が壁についていた。
「ほら、これ。三ツ谷だろ?」
私の手首を片手で纏めて頭の上で壁に固定される。
『え…どれ…っ?』
指でトントン、と私の腕の内側に触れる。
見上げてみるとそこにはいくつか紅い印が付いていた。ああ、これは確かに隆くんがつけたものだ。でもなんで分かるの?
「なんで分かるの、って顔してんな。
だって三ツ谷お前のこと大好きじゃん
腕につけるキスマは〈恋慕〉ってゆー意味らしいぜ?お前のことが恋しくて仕方ねえってこと。」
『圭介くん…そんな難しい言葉…どこで覚えた?』
恋慕なんて難しい言葉知ってるんだ。
だってこの人中学のとき留年してたんだよ!?
ありえないよね!?
「あ?うっせー俺だってもう大人なんだよ!」
『ふはは、そうだねっ』
「何笑ってんだ?随分余裕だなお姫様?」
言い終わるのと同時に私の体をフワッと持ち上げてベッドへ降ろす。さっきまでとは違う獲物を捕えるような雄の目。体がゾクゾクする。
『けい…すけくん?』
「いっつも初めてみたいな顔して…そそるわ」
覆いかぶさってきた圭介くんの体が熱い。
激しいのに優しいキス。とけそう…