第4章 好きです先生②(松野千冬)
ちゃんが 早くって。おいでって。俺をベッドの上に誘う。別にいやらしい意味なんてない。ただ寝ようってだけ。
「ねーちゃん…?」
『なーに?』
「抱きしめながら寝てもいい?」
『ふふ、うん。どーぞ?』
「あの、…あのさ。」
『なーに?』
「俺本気だから。ほんとにちゃんのこと、」
『分かってるよ千冬くん。
そんな何回もいわれたら照れる。恥ずかしい。』
良かったちゃんと伝わってた。
「これから毎日会えるんだよね俺たち」
『そうだね、担任とその生徒だからね。
でもこの関係は私たちだけの秘密だよ。』
「うん。なんか良いねそういうの。」
俺とちゃんだけの秘密…
なんかくすぐったい感覚。
嬉しい。また会えた事も気持ちを伝えられたことも。それを拒否されなかったことも。今俺の腕の中にいることも…全部が幸せ。ちゃんがいるだけでこんなに幸せなんだ。
『明日は何食べたい?』
「ん、ハンバーグ。」
『分かった、ハンバーグにしようね』
「やった。俺ちゃんのご飯大好き。」
『私も千冬くんが美味しいって言って食べてくれるの大好きよ』
全部好きなんだ。
顔も声も髪も仕草も身体も…
作ってくれるご飯も俺に向けられた笑顔も。
でも、たまにワカくんを思い出して辛そうな顔をするのは嫌。全部俺で塗り替えたい。俺しか見れなくしたい。俺だけを求めてほしい。ちゃんの心からワカくんなんて追い出したい。
しばらくして俺の腕の中から寝息が聞こえる。
あんなことされたのに安心してすぐに眠ってしまうところも愛おしい。こんな可愛い寝顔誰にも見せたくねえなあ…。ずっと俺の腕の中に閉じ込めておきたい。
その綺麗な寝顔にそっとキスを落として俺も眠りに落ちる。
俺本気だから。
ガキだけど本気で好きなんだよ。
絶対俺の彼女にするから。
たとえ辛くても傷ついてもいい。
ちゃんになら傷つけられていいから。
だから俺のそばにいてください。
ワカくんなんて忘れてね…
to be continue…