第4章 好きです先生②(松野千冬)
勢いよく手に放たれた千冬くんの白濁した欲をずっと出続けているシャワーで流す。まだ整わない息をしながら私の肩に頭を預けている熱い体。
2年ぶりに会った千冬くんは最後に会った日よりずっと男の子らしくなっていて、尖っていたあの頃より幾分か丸くなった気がする。髪型も今の方がいい。ふわふわしてて触りたくなる。
サッと体を流した千冬くんがお風呂から出て
続いて私がそのまま入った。
昨日の夜知った千冬くんの気持ち。
全く気づかなかった。
今も私の事が好きだと
だからこんなになってるって
真っ直ぐにそう言うから心臓がきゅうってなった。
自分は先生で千冬くんは生徒。
この一線を超えちゃいけなかったんだ。
私はワカくんを忘れられなくて苦しくて
なのにその心の穴を埋めるように
強引に触れてくれる千冬くんに甘えたくなる。
このままワカくんを忘れて
千冬くんに溺れてしまいたい。
ワカくんと何度も重ねたカラダ。
私は千冬くんに上書きして欲しいって
思ってるのかな…そんなの絶対ダメなのに。
のぼせる前にでよう…。
千冬くんの待つリビングへ戻るとベットに背中を預けてコクコクと眠っていた。濡れたままの髪の毛にそっと触れてドライヤーをかける。風邪ひいちゃうからね。
「…あれ、ちゃん…?
ごめん、俺寝てた…っ!」
『あ、ううん起こしてごめんね』
「いや、むしろ起こして…てか
髪の毛かわいてる…ありがとう」
『濡れたまま寝たら風邪ひいちゃうもの』
「んじゃ、次俺が乾かしてあげる」
『お、ほんと!ありがとうっ!』
よいしょ、とベッドに腰掛けた千冬くんの足の間に座って昨夜と同様私も髪を乾かしてもらう。スルスルと優しく撫でるように手櫛を通して触れる千冬くんにもっと触れて欲しいと思ってしまう。
「ちゃん」
『ふぇ、な、なにっ?』
変なことを考えていたせいで
おかしな返事をしてしまった。
「あ、えっと…さっきさ…」
『あ…うん。』
「その…なんか…やばかった。」
『えと…つまり…?』
やばかった…?
気持ちよくなって欲しくて頑張ってみたのがいけなかったのだろうか。あそこまでは求めてなかったのかな。だとしたらやらかしてしまった…千冬くんに嫌われる…っ!