C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第15章 居場所
キテンの町での攻防が終わり、アスタがヤミ団長の紹介で魔法帝直属の回復魔導士に腕のケガを診てもらうことになった。待っている間、わたしはヤミ団長と2人で市場に来た。
「あの……ヤミ団長?何買うんですか?それともまさか……賭け?」
「ちげぇよ。肉だ。肉を大量に買って帰る。お前も手伝え。」
「肉……?」
「あぁ。まぁ帰ってからのお楽しみだ。そうだ、お前キテンの町でガキを助けたんだってな?よくやった。このまま暴牛にいてもいいんだぞ?ハッハッハ!」
「現実世界に帰る方法が今のところないので……ヤミ団長がそう言ってくれるなら、ずっと暴牛で暮らしてもいいかなって……はははっ……グスッ……」
「あ?お前何泣いてんだ?あいつとなんかあったのか?」
「戦場でランギルスに会いました……フィンラルたちといるところにたまたま来たので……そこでわたしの好きな人がランギルスだってこともフィンラルにバレました……ランギルスはフィンラルの前でわたしのことを都合のいい女だって好きなわけないって宣言して……」
「ほう……そりゃ最低最悪の男だな。だが実際ラクエで異世界に繋がったんだろ?あいつがお前を本当に好きじゃねぇなら道はできないはずだ。たく、めんどくせぇな……」
「わたしが黒の暴牛にいることを知られてからランギルスの態度が変わってしまって……乱暴になったりひどいことを言ったり……お兄さんであるフィンラルと仲が悪いようなのでそれもあるのかなと……」
「ただのヤキモチだろ……あの坊ちゃんが素直になれないだけなんじゃねぇの?」
「なんかよくわかんなくなってきて……何を信じればいいのか……」
「何を信じるかは自分で決めることだ。だが、俺が思うにあの坊ちゃんはプライドが高くて偉そうなこと言って強がって、でもそれは弱さを隠すためなんじゃねぇの?
その弱さを見せれる特別な存在がお前だ。だが、お前は坊ちゃんだけに依存してるわけじゃねぇし、俺ら黒の暴牛といるわけで。あいつは坊ちゃんだしどうせ今まで本気で人を好きになったこともねぇだろ。故にめんどくせぇが不器用なんだよ。自分が傷つくのが怖くなって、相手を傷つける腰抜けヤローだな。
すぐに答えを出す必要はねぇよ。お前がいたいだけ、この黒の暴牛にいればいい。お前の居場所だ。」
「ヤミ団長……グスッ」