C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第14章 戦場で見たもの
ビュオォォオ───……
上から落ちてきたアスタをユノさんが風魔法で助ける。
「はぁっ……はぁっ……」
「相変わらずありえねぇ戦いだな。アスタ」
ユノさんはそう言って、微笑んだ。
「アスタ……かっこよかった……!すごいよ……」
わたしが褒めると、アスタは顔を赤らめた。
魔法騎士団として民衆を守ることを優先していた。腕を怪我しているのに、最後まで戦って敵を倒した。アスタの諦めない姿勢が何よりもかっこよくて、わたしはただただ感動してしまった。
「ミライさん、ランギルス副団長のことですけどあれ本心じゃないと思いますよ」
「……え?」
ユノさんが突然ランギルスの話しをしてきた。
「ランギルス副団長は普段からあんな感じで好戦的ですし……あの人がミライさんのことを本当はどう思ってるかなんて本人にしかわかりませんよ。言葉と本心は必ずしも同じとは限らないですから」
「うん……」
「今までランギルス副団長とミライさんがどんな付き合い方をしてたのかわかりませんけど……結局はミライさんがあの人の何を信じるかどうかですし」
ユノさんはわたしより年下なのにいつも冷静で、考え方もなんだか大人だなと思った。ユノさんの言っていることは、核心を突いている気がした。
わたしたちが話している傍らでフィンラルはランギルスに向かって宣戦布告をしていた。
「ランギルス……確かにオレはお前には勝てない……けど黒の暴牛は金色の夜明けに勝つ……!」
「ほう……」
ランギルスは不服そうな顔でその場から去っていった。
「戦局も落ち着いたことだし、そろそろヤミさんと合流しよっか」
フィンラルはそう言って、空間出す。空間に入ると、最初に着いた大樹が聳える場所に戻った。
チャーミーが羊のコックさんの魔法でたくさんのケーキを作り出し、フィンラルとアスタとわたしにもそのケーキを差し出す。
「まぁまぁ、これでも食べんさい!ほら、ミライちゃんも!恋愛の悩みはやけ食いで解決するのら〜!あんな男なんかやめてフィンラルにしちゃえ〜!」
「びっくりしたけどさ、俺の気持ちは変わらないよ。俺ならミライちゃんを絶対に泣かせない。」
フィンラルはそう言うと、わたしをそっと抱きしめた。