C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第14章 戦場で見たもの
「君たちかわいいね〜!君たちに似た美しい花が咲く丘があるんだ。どう?俺の空間魔法でちょっとした小旅行しにいかない?ん……?どうしたの?怖いものでも見たような顔して〜!」
「「キャー!!悪人よ!!」」
「あぁ〜!」
ナンパ中のフィンラルにヤミ団長とアスタとチャーミーが背後から近づいた途端、女の子たちが血相を変えて逃げていった。
こないだフィンラルはナンパをやめると言っていたが、女好きはやっぱり直らないようである……
フィンラルが振り返り、わたしたちに気づいたようだ。
「ちょっ!!何してくれてんスカ!!」
「うるせぇ!つべこべ言わずにキテンって町へ連れてけ。早く空間出しやがれ!」
ヤミ団長が怖い顔をしてそう言ったので、フィンラルは渋々空間を出す。
「ミライをアジトに送ってる時間もねぇな……ミライわりぃがお前も行くぞ。小僧もチャミ子もいるから大丈夫だ。心配すんな。」
……え?わたしもさっき映っていた戦場に行くってことだよね……フィンラルの魔力を無駄遣いするわけにはいかないし、戦況を見ていたのでこの状況でアジトに送ってもらう時間なんてないことは分かっていた。
怖くないと言ったら嘘になるが、戦場で黒の暴牛団の一員としてできることをしたいと思った。魔力がなくても、住民の避難の誘導や迷子の子供を助けることはできる。
「はい!わたしもできることをします!」
「おう、よろしくな。ただし1人にはなるなよ。」
ヤミ団長はそう言うと、わたしの頭をポンッと撫でた。
────キテン
フィンラルの空間に入ると、目の前に大樹が聳えていた。
「ここがキテン……何スか?このでっかい木!!この町にこんなの生えてんスね!!」
「でっかい木の実なってますかね?」
チャーミーとアスタがそう言うと、ヤミ団長が2人に手刀を打つ。
「ハイ、バカ2人ありがとう~これはおそらく、金ピカ団長の魔法だ。来なくてよかったかもな。」
ヤミ団長がそう言うと、フィンラルは帰ろうとする。
「じゃあ、もう帰りましょうよ〜!」
「いや……戦局を確認しにいく。ちょっくら行ってくっから、4人で死なないように町の人間助けろ。」
ヤミ団長はそう言うと、ヴァンジャンス団長の元へ行くため木を登っていった。