C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第11章 金色の夜明け団※
────金色の夜明け団本拠地
目の前に聳え立つお城のようなきれいな建物。
黒の暴牛とは比べものにならないほど、豪華な造りである。
「クラウスさん……ここアジトですか?なんだかお城みたいです……緊張してきちゃいました……」
あまりにもきれいすぎて逆に居心地が悪そうだ。少し汚れているくらいがちょうどいいのかもしれない。
「あぁ、そうだが……黒の暴牛のアジトはこことは違うのか?」
「え……?それはまぁ……全然違います……」
クラウスさんに案内されて、団長室の前に来た。
「ここだ。行ってこい。わたしはここで待っている。」
「は、はい……」
コンコンッ────……
「失礼します。」
部屋に入ると、この前の団長会議のときと同じ仮面を被ったヴァンジャンス団長がいた。
「待っていたよ。君のことはクラウスたちに任せているから、安心して過ごしてくれ。」
「短い間ですがよろしくお願いします……あの……何かわたしがやれることはないのでしょうか?ただ、預かってもらうばかりでは申し訳ないので……」
「そんなことは気にしなくていいさ。君を預かることになったのも魔法帝の命令だからね。黒の暴牛ではいつもどんな仕事をしているのかな?」
「えっと……このようなきれいなアジトではありませんので、わたしが掃除をしたり洗濯をしたり雑用を任されています。団員のみんなが任務を頑張れるように、アジトが過ごしやすい場所になればと……」
「そうなんだね。じゃあ、君が何かしたいと言うのなら……お願いしようかな……中庭の草むしりを任せたいんだ。ぜひやってくれないか?」
「は、はい!やらせてください!」
「ありがとう。よろしくね。」
わたしは団長室を後にした。ヴァンジャンス団長は仮面を被っているので、表情がわからない。やっぱり不思議な人だ。
「大丈夫だったか?」
部屋を出るなりクラウスさんはわたしの顔を覗き込んできた。心配してくれているのがひしひしと伝わってくる。とても優しい人なんだろうと思った。
「はい、大丈夫でした!」
「これからミライが泊まる部屋を案内する。部屋のことはミモザに聞いてくれ。」
クラウスさんに連れられて、長い長い廊下を歩き中庭を通り過ぎる。敷地が広くて迷ってしまいそうだ。