C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第6章 魔法帝にご挨拶
────アジト
「大丈夫だった?心配だったよ〜!もっと早く、迎えに行けばよかった……なんか張り詰めた空気だったね……」
「魔法帝に挨拶して、そのあと、戦功叙勲式に連れていかれて……表彰されてた魔法騎士さんたちとの食事会に参加して……」
「うわ〜、なんか嫌だね……」
「あの場にいた、魔法騎士さんたちはアスタを蔑んでいて、ノエルもお兄さんからバカにされて……アスタは仲間がバカにされるのを許せなかったみたい……」
「アスタくんやるなぁ〜!俺なら、できないよ……」
「フィンラルは優しいから、あの場にいたら、アスタと同じように仲間を守ろうとするんじゃないかな?」
「俺はそう思っても、アスタくんのように行動できないよ……俺はいつも逃げてきたんだ……ヘタレフィンラルって言われてるし……」
「……え?そんなことないよ……」
「俺の話し、聞いてくれる?」
「うん、もちろん」
「俺は元々、有名な貴族の出身なんだ。母親の違う一つ下の弟がいてね、俺と弟は同じ空間魔法なんだ。弟は攻撃魔法ができるのに、俺は攻撃魔法が覚えられなくて、いつも弟にバカにされてきたんだ……俺は重圧に耐え切れなくて、家を出てきた、ヘタレなんだよ……」
「そうだったんだ……フィンラルは優しいから、相手を傷つけたくないのかなって……わたしにとって、フィンラルはかっこいい魔導士だよ?」
「ありがとう、ミライちゃん……」
フィンラルはそう言って、わたしをぎゅっと抱きしめた。
「ご、ごめん……、つい……」
フィンラルは慌ててわたしを解放すると、顔を赤らめた。
────その頃、王都は謎のテロ組織によって襲撃を受けていた。
王都は火の海となり、多数の屍霊によって破壊活動が行われていたが、事態は魔法騎士の活躍によって終息した。クローバー王国に恨みを持つテロリスト集団、“白夜の魔眼”による襲撃だった。“紅蓮の獅子王”の団長である、フエゴレオン・ヴァーミリオンが敵の攻撃を受け、瀕死の状態となってしまった。
白夜の魔眼はクローバー王国を滅ぼすことを目的としている。なぜ、戦わなければならないのか。なぜ、恨んでいるのか。まだ、何もわからなかった。