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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第31章 番外編 〜月〜【R18】





「月〜!!保育園行くよ〜!!」


「はぁい!!今日はどっちがお迎えくるの〜?」


「ママ今日はお仕事遅くなりそうだから、パパがお迎えだよ」


「え〜!!パパぁ?やだぁ……」


「仕方ないでしょう?ママは今日残業なんだ。僕じゃいやなの?月は。」


「はぁ……仕方ないなぁ。月、いい子だからお迎えパパでもいいよ」


毛量の多い栗色の長い髪の毛に、ひねくれた性格の4歳の女の子。名前は“月”。歳のわりにはものわかりもよくてマセているから助かっているのだけれど、パパには厳しくていつも皮肉を言っている。顔も髪の毛も、そして性格も、ランギルスにそっくりなのだ。


わたしは結婚して子供が産まれてからも、soleilのプレスの仕事を続けている。ランギルスもLuneの社長として、日々忙しい毎日を過ごしていた。共働きのため、住んでいるタワーマンション内にある保育園に月を預けている。送り迎えは仕事の都合によって、わたしとランギルスで分担しているのだが、月はパパだと必ず文句を言っているから困ったものだ。


打ち合わせや接待でわたしの仕事が遅いときは、ランギルスは月を連れて“闇寿司”で夕食を済ませることも多い。月はヤミさんのつくる玉子のお寿司が大好きだった。


この日、わたしは取引先との打ち合わせのあと接待があったので帰りが遅かった。夕食もお風呂も寝かしつけも月の面倒はランギルスに任せていた。ランギルスは月に皮肉を言われながらも、淡々と育児をこなしてくれるので安心してわたしは仕事ができた。


21時頃、ようやく家に帰宅するとパジャマ姿のランギルスが出迎えてくれる。


「ミライ、おかえり。遅かったね。お疲れ様」


「ただいま。ごめんね。月は?」


「もう寝たよ」


「ありがとう。ごはんは?」


「兄さんのところに行ってきたよ。月が行きたいって言うからね」


もうすでに月は寝ているようだった。しんと静まり返った月の部屋。


「僕が迎えに行くって言ったのに……」


「月がいるから、大丈夫だよ?」


「タクシーで帰ってきたのかい?」


「取引先の人に送ってもらったよ?」


「……男?」


「え……うん」


「へぇ……」


ランギルスは明らかに顔色が変わった。不思議に思いながらも、わたしはお風呂に直行した。



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