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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第29章 C-LOVE-R





月日は流れ、わたしは31回目の誕生日を迎えた。


この日わたしは、オーダーメイドの真っ白なミカドシルクのドレスに身を包み、美しく施してもらっていた。


挙式リハーサル30分前。


「新郎がチャペルでお待ちですよ」





チャペルの中に足を踏み入れると、柔らかな光に包まれ優しい雰囲気が漂っている。リハーサル前でチャペルにはふたりだけ。とても神聖な気持ちだった。重い裾を持ち上げてランギルスの元に歩みながら、“わたしたち、結婚するんだ”という実感が湧いてきて涙が今にも溢れてしまいそうだった。バージンロードがものすごく長く感じる。


ランギルスは祭壇の方を向いたままだ。緊張してしまい、ゆっくり歩きたいのに足早になってしまう。でもそれと同じくらいの緊張が目の前にいるランギルスからも伝わってくる。


「……ランギルス?」


わたしが名前を呼ぶと、ランギルスがこちらに振り向いた。


「ミライ、すごくきれいだね……」


ランギルスはそう言って、鼻を啜った。ランギルスの青い瞳が潤んでいるのを見て、わたしは胸がいっぱいになって頰を涙が伝った。わたしはとびきりの笑顔を返した。ランギルスに言われたことがうれしくてたまらなくて。


夢見心地で現実味がなかった。7mもある天井を見上げると、淡い虹色の光が降り注ぎリング型のライトの輝いている。祭壇にはトネリコの木とキャンドルが飾られ、ゲストの席は祭壇を丸く囲むように置かれている。ベールもドレスのすそも、ランギルスのタキシードもみんな真っ白だった。ほんとうに天国みたいだ。けれど、わたしの涙を拭うランギルスの指から伝わる体温は、驚くほど鮮明だった。


このホテルのチャペルを選んだのは珍しい丸型だからだった。丸い形はくるくると弧を描き続けるかたちであり、言わば終わりのない形だから。“誓った愛と幸せが永遠に続きますように”と、こんな想いが丸型に込められているそうだ。



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病める時も、健やかなる時も、


富める時も、貧しき時も、


夫として愛し、敬い、


妻として愛し、敬い、


慈しむ事を誓いますか?





“はい、誓います”





この言葉に心を込めて、心の底から永遠の愛を誓い合った。









C-LOVE-R────fin.



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