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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第24章 守りたい人





ランギルスの首元にネックレスをつけて、もう一度そっと口付けた。


「ありがとう」


ランギルスはそう呟くと、わたしをぎゅっ、と抱きしめた。ランギルスの体温が伝わってくる。とくんとくん、と規則正しい心音が耳に響く。ランギルスの匂いがふわっと香る。どれもこれも、夢じゃない。現実だった。目尻から涙が溢れて、ランギルスの胸元を濡らした。


「ずっと、この海に、いたい……」


「あぁ、そうだね……」


月も、風も、海も、ただ抱き合っているわたしたちを見守ってくれているようだった。月は高いところに昇って、強く光を放っている。それは、時が迫ってきているという、何よりの証だった。満月は24時に一番高いところに昇り、強く輝く。刻一刻と迫る時間を、惜しむように、記憶を刻むように、抱き合っていた。


しばらくすると、ランギルスはわたしを解放した。懐中時計を出し、時間を確認すると、わたしの手を握った。


「いつか、君のいる世界で会えたなら、もうこの手を、離さない。この世界が平和になったら、僕は何百年かかっても、君を探しにいく。だから、本当の僕のことを、忘れないでいてくれるかい。君の記憶が消えても、君の中で君だけが知っていてほしいんだ」


「うん……」


涙が溢れて頰を伝い、顎からぽたぽたと雫が落ちていき、砂浜を濡らした。ランギルスはわたしの涙を指でそっと拭った。ランギルスはいつになく、優しい顔で微笑んだ。


「ミライ……僕を、本当の僕を、好きになってくれて、ありがとう」


ランギルスはそう言って、繋いだ手と反対の掌から空間魔法を出した。この空間に入ったら、真実の愛で、繋がる道に繋がっているはずだ。守りたいと思うのは、その心にある真実の愛から生まれる想いだと気づいた。誰かを守りたいと思ったとき、この道ができるということを。


「いつだって、わたしはランギルスの味方だよ。それだけは、信じて生きてほしい。ランギルスの中には、わたしの愛が溢れてるはず。ランギルスの心が壊れてしまわないように、ランギルスがきっと笑顔になれるように、わたしがずっと守るから……疲れたら振り返って、わたしはここにいるよ」


そう言うと、ランギルスは微笑んだ。わたしは手を繋いだまま、ランギルスの空間に入った。





繋いだ手がゆっくりと離れていく────……



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