C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第3章 黒の暴牛団
「こっ、この世界では魔法が全てだと聞きました……わたしは魔力なんてない……だけど……信じてくれたみんなの力になりたい……何でもやります!!ここで働かせてください!!」
「……何でも?本当に何でもやるんだな?甘くねぇからな?」
「現実世界では、毎日ただ漠然と生きてました……不思議と、現実世界にいるときよりも生きる活力が湧いてきたんです……どうか、お願いします!!」
いつも嫌なことから逃げてきた。どうせ、と何かを理由にして諦めてきた。何かに縋らないと生きていけない弱い自分だった。目標もなく、ただただ漠然と時間を無駄に生きていた。そんな甘ったれた自分が誰かの役に立ちたい、そう思った。
「……そうか。お前、意外と度胸があるんだな。わかった。俺の団で雇ってやるよ。」
団長から放たれる闇のようなオーラは、もう、消えていた。団長がわたしの頭をぽんっと撫でる。
「ようこそ。最低最悪の魔法騎士団、黒の暴牛へ。これからよろしくな?」
「は、はい!ありがとうございます!うぅっ……グスッ……」
みんなに、信じてもらえたことがうれしかった。もうひとりじゃない、そう思ったら涙が溢れて止まらない。
「ミライちゃん、泣かないの〜!ねっ?みんな信じてくれたでしょ?」
フィンラルがハンカチを差し出してくれて、わたしの背中をさすってくれる。
「「名前は?」」
「ミライです……」
「「ミライちゃん、ミライ、よろしく〜!!」」
「つーか、その、趣味のわりぃ服はなんだァ?」
「マ、マグナさん……、これには事情がありまして……」
「その服には似合わねぇと思うが、仕方ねェ。ヤミさんが認めた以上、お前も今日から黒の暴牛の一員だ。」
マグナさんはそう言うと、黒のローブを渡してくれた。黒の暴牛の団員みんなが着ている黒の暴牛団だという証。バネッサさんの魔法でローブが光に包まれ、ふわっと宙に浮く。
「ほらっ、羽織ってみなさいよ〜!」
気づいたら、わたしはローブを身に纏っていた。
「その服は確かに趣味が悪いけど、黒の暴牛のローブ、似合ってるわよ?」
「ありがとうございます……!!」