C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第3章 黒の暴牛団
「…………」
顔が白くて、暗そうな青年がわたしに向かって話しかけてきた。声が小さくて聞き取れなかった。
「彼はゴードン・アグリッパ。何考えてるかわからないけど、いいヤツさ。」
鼻血を垂らした青年がわたしの目の前に立ち、金髪の可愛らしい少女の写真を見せてくる。
「なぁ……、俺の妹マリーだ。天使だろう?」
「……え?あ、はい……かっ、かわいいですね……」
「どこの世界から来たんだが知らんが、一番かわいいのはマリーだ。勘違いすんなよ?」
「は、はい……」
「彼はゴーシュ・アドレイ。妹愛に溢れすぎてるけどいいヤツさ。」
「ねぇねぇ、これ食べてみ?トリップしてきたなら、お腹空いてるでしょ?な?」
小さくて可愛らしい女の子がそう言って、わたしにケーキをひとつ渡してくれた。
「ありがとう!」
「彼女はチャーミー・パピットソン。大食いだけど、いいヤツさ。」
ガタンッ!!
突然、アジトの入り口が物凄い音と共に破壊され、誰かがアジトに入ってきた。
「「ヤミさ〜んっ!!団長〜!!おかえりなさい!!」」
「お勤めご苦労様ですッッ!!」
「そろそろ限界なんで、マリーに会いに行ってもいいですか……?」
団員の人たちが一斉にその人物の周りに集まった。
「そして〜!俺たち黒の暴牛団のヤミ・スケヒロ団長〜!!」
髭を生やしたガタイのいい男の人で、タバコを咥えている。団長、というだけあって、物凄いオーラと威圧感だ。
「お前ら、何やってんだ?おい、その女誰だ?フィンラル……テメー、アジトに女連れ込んだんじゃねぇよな?外でヤれよ?ヤリ部屋にすんな!!」
「ヤ、ヤミさん!違いますって!この子は、異世界からトリップしてきたそうで行くあてもなく困ってたんで、とりあえずアジトに連れてきたんです!」
「ハッハッハ!!トリップだと?胡散くせぇ話だな?テメー、スパイかなんか、か?」
団長と呼ばれるその男の人は、わたしの目の前に立つ。途端に物凄い闇のようなオーラに包まれた。
「テメー、ここに何しにきた?確かにテメーからは魔を感じねぇ。信じてやってもいいが、黒の暴牛でお前は何ができる?」
あまりの威圧感に圧倒されてしまい、言葉が出てこない。これも、魔法なのだろうか。