C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第19章 掌─ランギルスside─※
僕の中の理性の糸が切れた音がしたような気がした。それから僕は無我夢中でミライの体中に痛みを与え続け、止まることのない欲望をミライにぶつけていく。
「んああぁぁっ……!あっ、あっ……!」
「っはぁ……ミライ……」
僕は衝動のままにミライの頸動脈の両手で押さえた。ミライは僕の手を掴み、苦しそうに顔を歪ませる。
「うぐっ……!あ゛っ!」
ミライの唇から零れる嬌声が苦しみ悶える声に変わっていき、ミライの僕の手を掴む力が徐々に弱くなっていく。頸動脈を押さえていた手を気道が塞がる位置にずらし、このまま僕の掌でミライを本当に僕のものにする────……僕は我を失い、掌に力を入れようとしたときなぜか僕の頭の中であいつのセリフが再生された。
“フィンラル先輩はいつだって誰かを救うために魔法を使ってきたんだ!!”
うるさいね……ただでさえうるさいあいつの声が脳内でリピートする。邪魔するなよ……今からミライはやっと僕のものになるんだ。ミライだって僕を受け入れてくれた。また邪魔しやがって……
誰かを救うための魔法────……僕は誰かを救うためだとか守るためだとかそんなことにこの魔法を使ったことなんてない。兄さんに勝つため、父さんや母さんに愛してもらうため、金色の夜明けの団長になるため……そう、勝ち続けるためだ。勝ち続けた者が何もかも正しい。勝ち続けた者こそが本物の魔導士だ。自分の実績のためなら国民を見捨てることだって厭わない。じゃあ今日、あいつに負けた僕は……クソっ……
“勝ち”への執着が僕を苦しめていた。何のための魔法なのかわからなかった。誰かを守りたいと思ったとき、“勝ち”への執着を捨ててもいいんじゃないのか?誰かを守り、誰かを救うために魔法を使いたいと初めて思ったんだ。ミライをこの掌で傷つけたいんじゃない。ミライを守りたい────……
「っはぁ……はぁっ……、ミライ……」
僕は我に返り、気を失っているミライの首から手を離した。自身を引き抜くと、シーツに僕の出した欲の証がドロっと垂れ落ちる。ミライは僕のつけた所有印と噛み跡でひどい有様だった。ミライが呼吸をしているのを確認し、そっと抱きしめた。