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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第17章 見えないもの





────次の日の朝


洗濯やら掃除をやろうと共有スペースに行くと、誰もいない。まだみんな寝ているのだろうか?いつも騒がしいこの共有スペースがやけに静かである。


ノエルの部屋からは気配を感じないし、帰ってきていないようだ。わたしの仕事の一つである団長を起こすこと。いつものように団長の部屋をノックしても、何の返答もなかった。いつもならうるせぇ!と言われるのがオチだ。なのに、一切音沙汰なし。


そのあと団員たちが続々と起きてきたのだがアスタとノエル、そしてヤミ団長がいない。星果祭のあとどこかへ行ってそのまま帰ってきていないようだ。





陽も暮れる頃、なんだか物凄く疲れた顔で帰ってきたヤミ団長とアスタとノエル。


「どこ行ってたんですか?心配してました……」


ヘトヘトな様子を見てわたしは心配になり、3人に聞いた。


「温泉合宿よ……疲れたわ……」


「温泉に行ってきましたぁぁ〜!!」


「アネゴレオンめ……あのヤロー」


アネゴレオンって……?3人の様子を見ると、任務だったわけではなさそうである。そのあと団員のみんなで詳しく聞くと、3人は温泉合宿という名のスパルタ修行に行っていたそうだ。


ヤミ団長がアネゴレオンと呼ぶ、“紅蓮の獅子王”の新団長であるメレオレオナ・ヴァーミリオンは前団長のフエゴレオン・ヴァーミリオンのお姉さんである。


強魔地帯であるユルティム火山の山頂の温泉へ行ってきたとのことだが、マグマ吹き荒れる火山を登らなければならず辿り着くまでには魔力を使いこなさなければならない。戦闘ではないため筋力や根性ではどうにもならないのである。アンチ魔法の剣はどんな魔法も斬れるがこの環境では意味がない。魔力のないアスタは不利であった。


そこでアスタは火山を登るため、魔女の森で手に入れた新たな力を使って登頂することができたのだという。使いこなすと言うにはまだ早いが、新たな技として使えるようになったとのことである。





────団員たちは1週間後のロイヤルナイツ選抜試験に向けて魔法の修行に励んだり、気合を入れるため各々準備を進めていた。


黒の暴牛からはフィンラル、ラック、マグナ、アスタ、ノエルが選抜試験に出ることが決まった。任務ではないため、わたしは出場しない団員たちといっしょに試験会場に応援に行くこととなった。



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