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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第3章 黒の暴牛団





「あの……わたし、この世界のことを何も知らないんです……信じてもらえないかもしれないけど……きのういきなりトリップしてしまって……」


「ええ〜!!そうなのっ?!俺は信じるよ、大丈夫!」


「……え?あれ……?」


フィンラルは疑うことなく、わたしの話しを信じてくれた。誰にも信じてもらえないと思っていた。不安と恐怖から解放されていく。気づいたら、自然と涙が頰を伝っていた。


「何泣いてんの〜!もう、その可愛いお顔が台無しだよ〜?ほらっ」


フィンラルはわたしにハンカチを差し出してくれた。


「誰にも信じてもらえなくて……どこにも行くあてがなくて……これからどうしようって……」


「そうなるよね〜!じゃあ、俺と一緒に俺の団においでよ!みんないいヤツだから、きっと信じてくれるよ!」


「……え?団って……そのさっき言ってた、魔法騎士団ですか?」


「うん、そうだよ〜!俺は黒の暴牛団。最低最悪の魔法騎士団って言われてるけどね?ははっ!」


「でもっ……いいんですか?こんな見知らぬわたしなんかを……」


「最終的にはヤミさんが決めるけど、俺は大丈夫だと思うから、心配しなくていいよ!とりあえず、俺とアジトに行こう!」


「ヤ、ミさん……?あ、じゃあ……よろしくお願いします……」


行くあてのないわたしは、フィンラルの誘いを断る理由がなかった。彼のような優しい人にこの先出会えるとは限らない、そう思った。


お店を出ると、フィンラルは本のようなものを取り出し、手を広げて目の前に空間を作った。きのうの男と同じ魔法だった。


「この世界では、この本がグリモワールと言ってね?国民全員が持ってるんだ。ページを開くと、その魔法が使えるんだよ。魔法属性はそれぞれ違って、魔力の強さもそれぞれなんだ。俺は空間魔法。俺の空間に入ればすぐに行きたい場所に行ける。ほら、入って」


フィンラルの空間に入ると、鳥の鳴き声が耳に響いた。





────森の中、目の前に大きな黒い建物が聳え立っていた。いくつもの家が連なった不思議な建物だ。


「ここが俺の団のアジトだよ。」


フィンラルはそう言うと、ドアを開けた。


「フィンラル先輩、おかえりなさいっ!今日、バネッサ姉さんとノエルと城下町のブラックマーケットに行ってきたんスよ!って……、その人、誰スカ?」



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