C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第15章 居場所
「「え〜!!」」
「ヤミ団長が調べてきてくれて、海底神殿の伝説だってことがわかったの。満月の夜の24時にラクエの海岸でお互いに想いが通じ合った者だけが異世界に繋がる空間に入ることができる。それは神が作る真実の愛で繋がる道なんだって。でも本当かどうかはわからないの……真実の愛なんて主観ではわからないものだから……」
わたしは団員たちにヤミ団長から話されたことを説明した。
「まぁ、海底神殿の大司祭のジジイが言ってたことだし、眉唾物の可能性もあるからな。真実の愛がないと帰れねぇってなかなか難しいよな。ハッハッハ!」
ヤミ団長はそう言って、笑い飛ばした。
「真実の愛ね……素敵じゃないの〜!それで相手は誰なの?王都で会ってた男よね?」
バネッサがわたしの樽ジョッキにお酒を注ぎながら聞いてきた。飲ませて言わせようとしているのだろうか……
「バネッサ……もうこんな飲めないよ……」
「いいじゃない〜!で、どこの誰なの?確かどこかの魔法騎士団って言ってたわよね!空間に入ったってことは、空間魔法を使える男かしら?って、まさか……フィンラル?」
バネッサがフィンラルの方を見る。
「俺じゃありませんよ……同じアジトにいてわざわざ王都で会う意味がないですからね。ミライちゃんといっしょにいたのは俺の弟です。チャーミーとアスタくんはこないだ会ったんでわかると思いますけど、金色の夜明けの副団長ですよ。」
「「え〜!!」」
フィンラルがそう言うと、知らなかった団員たちはびっくりしている。
「ミライ、やるわねぇ!それで彼の力で帰れそうなの?」
バネッサがわたしに聞いてきた。
「えっと……うん……でも今はうまくいってないから……キテンの戦場で会ったとき、みんなの前で好きじゃないって言われたんだ……わたしの勝手な一方的な気持ちだったのかも……グスッ」
さっきからバネッサに飲まされていたためお酒が回ってきたせいか涙脆くなって、またあのときのことを思い出して涙が溢れてきた。バネッサが背中をさすってくれる。
「あら……そんなことがあったのね……現実に帰れなくたって、ミライの居場所はここにあるわよ。」
“黒の暴牛”だと────……