第32章 侑end
楽しい時間はあっという間で、時計は19時を回っていた。
名残惜しいけど、もう帰らなきゃ…。
「あの…ごめんなさい、、私そろそろ帰らないと…」
ほろ酔い気味の3人に控えめに声を掛けると、一斉に悲鳴に近い声が上がった。
佐々木「え"ぇ〜〜〜もーおー⁇」
治「まだ19時やしもうちょい居ったらええのに〜!なぁツム?」
侑「ともみちゃん帰るとか聞いてへんっ‼︎
いや、フツーに無理やっ!帰したくない!帰さへんでっ‼︎」
そう言うと膝の上に置いていた手をぎゅっと握られた。
そりゃあ私だって帰りたくない…
けどそう言う訳にいかない。
私は握られた手にさらにもう片方の手を重ねると、ニコッと笑って見せた。
「侑君…、また来月日向さんのカウンセリングでこっち来るから、その時、、」
侑「来月ーー⁈いや無理や…1ヶ月も待てへん‼︎
しかも俺は翔陽君に会いに来たついでなん⁉︎」
「そんな事言ってないっ!ついでとは思ってないけど、実際に大阪は遠いし、そんなにしょっちゅうは来れないよ…」
侑「どーせ真面目なともみちゃんの事やから仕事ばっかで俺との時間はこれっぽっちもないんちゃうの?」
侑君は横目でチラリとこっちを見ると、ハァ…とため息を吐きながらビールを流し込んだ。
・・・さすがにイラっとし、私は握られていた手を振り解いた。