第31章 番外編 黒尾end
黒尾「あれー?研磨いねーの?」
すっかり日も暮れた頃、クロがやって来た。
休日とあって白のオーバーTシャツに黒のパンツとラフな格好をしている。
「うん、福永さん?て人の店に行くって出てったよ。
今日は帰らないからってクロに伝えてって言われたー。珍しいよね?」
鍋をかき混ぜながら返事をする。
黒尾「・・研磨が?」
余程珍しいのかクロは驚いた様子で目を見開いた。
「?うん。」
黒尾「へー。どんな風の吹き回しなんだか。
て事は今日、2人きりじゃん。ともみの部屋、泊まっていい?」
クロがするり、と腰に手を回して顔を覗き込んできた。
後ろから抱きつかれるような体制に、心臓がドキドキと音を立てる。
「い、いいケド…」
黒尾「顔、赤いケド?」
「ッ//クロが近いからっ。火、危ないから離れて?」
ハイハイ、と笑いながら腕を解くクロ。
2人きり。
しかも私の部屋に泊まるとか…
意識しちゃうじゃーーん‼︎
心の中で叫ぶも、緊張してるのは私だけでクロはいつもと変わらない様子でつまみ食いをしてる。
そもそも私とクロでは恋愛経験値が違いすぎる…
私が1ならクロは20、いや30??
あの余裕のある大人の感じ…
女馴れしてるクロが私みたいなひよっ子と付き合ってて楽しいのかな…。
・・だめだ。
考えれば考える程不釣り合いに思えてくる。
悶々と頭を悩ませていると…。
黒尾「ともみ、、火止めた方が良くね?」