第29章 黒尾end
「少ししたら起こすから寝ていいよ?」
鉄朗のおでこにかかった長い前髪をそっとかき分けながら言うと、
黒尾「・・マジで俺今、チョー幸せだわ。」
独り言のように呟いた鉄朗は照れてるのか、片手で目元を隠した。
そんな意外な姿に愛しさが込み上げ、私は小さく笑うと顔を近づけて唇を落とした。
そっと唇を離すと、驚いたように目を開ける鉄朗と視線が重なった。
「私も、今チョー幸せだよ…」
フフッと微笑むと、鉄朗の腕が私の後頭部に伸びてきて再び私達の距離が0になる。
先程とは違い、大人のキスに頭の芯が痺れていく。
お互いの熱を伝えるかのように、唇が深く深くへと交わる。
チュッと音を立て名残り惜しそうに唇が離れると、鉄朗の熱っぽい視線が私を映した。
黒尾「ともみ、愛してるよ…」
「・・私も、、愛してる。」
もう一度チュッとキスを交わすと、私達はフッと笑い、抱きしめ合った。
この先も、手を取り合って生きていく私達の未来はきっと幸せに満ちている。
fin。