第29章 黒尾end
帰りの新幹線の中。
「で、、いつまでこの手、、」
しっかりと握りしめられた手に視線を落とす。
隣では「ん〜〜?」とニヤリと笑うクロ。
黒尾「ったくウケるよな。気持ち確かめて来いって余裕ぶったクセに、気づいたら新幹線乗ってるとか。」
クロが自嘲気味に笑う。
黒尾「・・ともみがアイツんとこに行くんじゃないかって不安でいてもいられなくなった。」
「・・クロ。」
初めて見るクロの不安気な表情に、胸が締め付けられた。
黒尾「もう離したくないんだケド?」
クロは繋いだ手を自分の口元に近づけてチュッと私の甲に口付けた。
赤くなる私を見て意地悪く笑う表情は昔から変わらなくて…。
もうっ!と言いながらもつい許せてしまう。