第29章 黒尾end
私は首を横に振った。
「ううん、まだ会ってないよ。」
治「そっか…。あんな、、俺の口から言うのもどうかと思うんやけど…あいつ今、、」
「彼女、いるのは知ってるよ。」
治君が言いにくそうに口籠もったのを見て、私は口の端を上げ答えた。
治「え?あー、、そうか、知ってたんやな…。
・・ともみちゃんはその、、大丈夫なん?」
治君は少し気まずそうに頭を掻いた。
私は湯気が立ち上る湯呑みに視線を落とし、口を開いた。
「・・うん…別れようって切り出したのは私だし。
最初に知った時は動揺したけど…。
でも侑君の事、側で支えてくれる人がいて良かったな、って今は思ってる。」
治「・・ともみちゃんは?側で支えてくれる人、出来たん?」
「・・私?」