第28章 MSBY
2人が大きな声でやり取りをしている姿に、前を歩いていたおばさんがクスクスと笑いながら通り過ぎて行く。
ただでさえ日向さんのオレンジ色の髪、木兎さんの大きな身体と声は目立つのに…。
私は2人に近づき、そっと声を掛けた。
「・・お2人共、ご無沙汰してます。とりあえずここは入り口ですので、中に入っても、、?」
目くばせすると、日向さんが慌てたように頭を下げた。
日向「すいませんっ!とりあえず中、行きましょう!原さん、これ首から下げといて下さい。」
「はい、ありがとうございます。」
日向さんからSTAFFと書かれたカードを受け取り、首から下げた。
日向「荷物、持って行きますね!」
「えっ⁈日向さん、大丈夫です、、」
日向さんは私の手からキャリーケースを奪い取るとさっさと中へ入ってしまった。