第26章 恋着
おにぎり宮。
閉店時間が間近のせいか客は一組だけで、俺はいつものカウンター席の端に座った。
ずっと黙ったままの俺の前にコトッとお茶が置かれた。
治「・・何や、偉い大人しいな?また何かしでかしたんか?」
侑「なぁ、、サム。」
テーブルに視線を落としたまま呟いた。
治「な、何や気色悪いな…」
侑「ともみちゃん…日本に帰って来とるかもしれへん。」
治「・・・は?ついに幻覚でも見えたんか?」
鼻で笑うサムに、俺は今日の出来事を話した。
サムは閉店時間を待たずしてさっさと暖簾を中に入れると店を閉め、少し離れたカウンター席に腰を下ろした。