第23章 スポーツの秋。
華「えー、、」
頬を染め、戸惑う華ちゃん。
ちょっと待って…?
私の心臓が嫌な音を立てる。
華ちゃんが侑君に告白したら・・?
ツーっと嫌な汗が背中をつたう。
侑君に告白するところは見たくないけど、全校生徒の前で傷つく華ちゃんはもっと見たくない…!
「は、華ちゃんっ‼︎」
華ちゃんを止めようと手を伸ばした時、華ちゃんがマイクを握った。
嘘でしょ⁇
公開告白するの⁉︎
華ちゃんは意を決したように口を開いた。
華「・・バスケ部の藤川先輩、、、
良かったら私とお付き合いしてくれませんか?」
「・・ふ、ふじ?、、え?」
華ちゃんの口から出た名前は宮侑、ではなかった。
この数ヶ月で華ちゃんの中で気持ちの変化があったんだ…。
予想外の展開に胸を撫で下ろすも、目の前に立つ華ちゃんは緊張の面持ちで返事を待っている。
応援席からは
「藤川早く行けよー」
「振られたら俺と付き合ってー」
「藤川って誰やー⁉︎」
「華ちゃ〜ん頑張れ〜‼︎」
などと声が掛けられ、盛り上がりを見せる中、1人の男子がトラック内に入って来た。
・・あれ?あの人って…。
合コンの時に怒って先に帰っちゃった人だ!
確か華ちゃんの事、好きだったよね…。
藤川君は華ちゃんの前に立つとスーッと息を吸った。
「俺も華ちゃんの事が好きです‼︎付き合って下さい‼︎」
マイクを通さず、大きな声で想いを伝えた。
おぉーー‼︎と歓声が沸き、拍手が鳴る。
[カップル成立でーーす‼︎全校生徒公認のカップルが今誕生しましたーー‼︎
さぁっ!ゴールへ向かって走ってくださいっ‼︎]
華ちゃんは赤い顔で嬉しそうに微笑むと、藤川君と手を繋ぎ走り出した。
華ちゃんの度胸には驚いたけど、良かった、、良かったね…。
私も2人の背中を見ながら拍手を贈った。