第23章 スポーツの秋。
侑君と目が合い、小さく手を振ると、
侑「ハー♡遠目から見ても可愛いかったけど、近くで見たらもっと可愛いわ〜!俺の彼女♡」
「・・・。」
私は振っていた手をすぐに下ろした。
倫太郎「・・うざ。」
治「最後の一言が余計や。ツムは敵チームなんやからこっち来んな!」
侑「お前らに会いに来たワケちゃうわ!」
侑君がベーッと舌を出し2人に背を向けると、自分の肩に掛けていたスポーツタオルを外し私の首に掛けてきた。
侑「競技出る時以外はソレ、首に巻いとって?」
「・・え?あ、うん。ありがとう…。」
僅かに香る侑君の匂いに頬が緩んでしまう。
侑君の後ろからは、独占欲強っ!うなじ見えんくなった!などと文句が聞こえる…。
その声に侑君のこめかみの辺りがピクッと反応し、
侑「お前らさっきからうっさいねん!てか次の"棒倒し"負けへんからな⁈」
治「ハッ、予行ではうちのクラスが勝ってるし余裕やな。」
侑「ぁあ?あん時は本気出しとらんかっただけや!」
治「1番ムキになってた奴がよう言うわ!
そのセリフ、本番負けた後にも言うなよ?」
侑「なんやとー⁈」
侑君が座っていた治君の胸ぐらを掴み上げるとさすがに周りがざわつき出した。
夕子ちゃんは私の腕をひじで突くと
「先生、呼ぶ?」と囁いてきた。
「・・どうしよっか、、」
助けを求めるように、倫太郎君に視線を向けるも、携帯で歪み合う2人を撮っていた。。
また殴り合いになるんじゃないかとヒヤヒヤしていたその時、