第22章 迷い。
それから私は今、迷ってる事を正直にかよこさんに相談する事にした。
かよこ「これ、先に見せちゃうと無理に連れてこうと思われちゃうかなーって思って出さなかったんだけど…。」
かよこさんはそう言うと、テーブルに沢山の資料や大学のパンフレットを広げ始めた。
その量の多さに目を見開く。
「凄い…こんなに沢山集めてくれたんですね…。」
かよこ「仕事上、何でも調べちゃう太刀でねー。イタリアって言っても英語で学べる大学があったり、食に特化した大学もあるのよ?」
「・・食?」
かよこ「そう。ともみは料理が得意だからそっち系を学んでも良いんじゃないかなって思って探して見た。
この大学は食文化やコンサルタント、マネジメント系なんかも学べるみたい。
実際に料理の腕を磨くのなら専門学校に行くっていうのも良いかもね。」
「・・・」
じっと資料を見ている私の横でかよこさんはフッと笑みを溢した。
かよこ「もし向こうに行ったとしても、1年は準備期間あるし、そんなに焦らなくていいのよ?」
「はい…。でも将来の事とか、少しずつ考えなきゃかなって。
・・資料、凄く参考になりました。ありがとうございます!」
かよこ「ともみは娘同然なんだからこれ位当然よ。
それに、、姉が出来なかった事、代わりに全部やってあげたいの…自己満足だけどね。」
そう言うと、かよこさんは自嘲気味な笑みを浮かべた。
かよこさんには実の母より、母らしい事を沢山してもらったし、沢山の愛情も注いでくれた。
私は何を返せるんだろう…。
沢山の資料を眺めながらそんな事を考えていた。