第22章 迷い。
あやか「なるほどねー。侑君が他人を尊重するとは、、大人になったもんやなぁ。」
「私、心の何処かで侑君は引き留めてくれるって期待してて、侑君が引き留めるなら残ろうとか、、、そんな浅はかな事考えてた。
自分の事なのに、自分じゃ何も決められないからって…ずるいですよね。」
あやか「・・んー、、そう?もし私がともみちゃんの立場になっても、やっぱり好きな人には引き留めて欲しいって思うで?
けど、、侑君の性格からして、相当葛藤したんやない?
本当は無理やりでも引き留めたいはずやのに…。
侑君は"今"だけじゃなくて、もっと先を見て言うたのかもしれへんな。」
「・・もっと先?」
あやか「うん。ともみちゃんは今まで皆んなの世話ばっかしてきたやん?
だからこれからはともみちゃんが好きなように、やりたい事見つけて欲しいと思ってるんちゃうかな。
まぁ、なかなかあんな風に真っ直ぐ夢を追いかける事は出来へんけどな。」
「・・やりたい事かぁ。」
あやか「ほらー!難しく考えないの!
それだけ侑君はともみちゃんの事、大事に想っとるって事なんやから。」
あやかさんが人差し指でピンッと私のオデコを弾いた。
あやか「眉間のシワ。跡つくで?」
私は指でオデコをさすり、頬を膨らませた。
「デコピンの方が跡つくよー」
それもそうやなーーと笑いながら先を歩くあやかさん。
こうやってあやかさんと一緒に登校出来るのもあと半年。
私がイタリアに行っても行かなくても、あやかさんは3月で卒業だ。
あやか「ほらっ!早よ行くで〜?」
笑顔で振り向くあやかさんに、私は笑って頷いた。