第22章 迷い。
「はぁ…。」
ベッドに横になり、枕に顔を埋める。
かよこさんと離れるのも、侑君や皆んなと離れるのも嫌だ…。
どっちかを選ぶなんて出来ないよ…。
悶々としながら足をバタバタさせていると、ドアをノックする音が聞こえた。
侑「俺やけど、、ちょっとええかな?」
「え…侑君⁇・・ちょっと待って?」
私は慌ててベッドから起き上がり、乱れた髪を整える。
お風呂上がりで、よれたTシャツに短パンという格好だけど…まぁ今更か、と思いドアを開けた。
侑「・・ごめん、寝るとこやった?」
「ううん、大丈夫。・・入る?」
侑「お、おん…。」
少し照れた様子の侑君はポリポリとこめかみのあたりを掻きながら部屋に入った。
侑君が部屋に入るのはあの夜以来で、何だか妙に意識してしまう。
「す、座って?」
立ったままの侑君にクッションを差し出し、私はベッドに腰を下ろした。
かよこさんからイタリア行きの話が出てから、侑君とまともに話しをしていなかった為、どう切り出したら良いかわからずにいると、
侑「・・・イタリアの話、もう決めたん?」
侑君が私の顔色を伺うように話を切り出した。
私はふるふると首を横に振る。
「・・決めれない。ずっと考えてるんだけど…。」
そっかー。と床に手を突き、天井を見上げる侑君。
そんな侑君の整った横顔を見つめていると、
侑君が静かに話し始めた。