第20章 2人の日常
侑「てかそもそも北さんが電話で煽ってこんかったら嫉妬なんてせーへんかったんや…」
「そう言えば、北さん電話で何言ったの?」
侑「足怪我した原さん保護したけど、お前らが喧嘩しとる家には帰りとうないって言うてるって。
せやから今夜はうちに泊めるって…。
普段冗談なんて言わん人やから本気で言うとると思ってマジで焦ったわ。」
・・北さんそんな事言ったんだ。
「だから侑君、あんな汗びっしょりで走って来てくれたの?」
侑君は少し気まずそうな顔でこっちを見た。
侑「・・俺、汗臭いよな?ごめん。」
私は思いっきり首を横に振った。
「嬉しいよ…。ありがとう。」
大好き…。
言葉じゃ上手く伝えられないぐらい、好きが溢れる。
熱くて逞しい背中に顔を埋め、私は幸せを噛み締めた。