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ハイキュー  夢を追うあなたと。

第20章 2人の日常



チリンチリンと風鈴が綺麗な音を立てる。


風がいくらか涼しくなり、私と北さんは縁側に並んで座り、夕涼みをしていた。


北さんが胡座を掻く隣で、私は足を外に投げ出し、ブラブラと揺らしながら庭を眺めた。


「素敵なお家ですね…。」

縁側から見えるお庭は広く綺麗で、植木はきちんと剪定されている。

北「古い家やけどな、気に入っとうよ。
そう言えば原さんは関西の喋りやないけどどこ出身なん?」

「生まれは東京です。・・中2の時、母が亡くなって、叔母に引き取られてこっちに越して来たんです。」

北「・・そうか。」

「だから憧れます、北さんみたいなお家。
こういう縁側で風鈴の音聞きながらお茶飲んで他愛のない話ししたりするの。
それに優しいおばあちゃんや家族がいて…良いですよね、素敵だなって思います。」




口に弧を描き、目を細めるともみの横顔を北は静かに見つめていた。

確か初めて会うたのは去年の文化祭の時やったか。
綺麗な子やとは思ったけど、そん時は特に何の印象も持たんかった。
・・けど、実際話してみると人を惹きつけるモンを持ってる子やな、と思う。
純粋で儚い…今はそんな印象を彼女に持った。


双子が夢中になるワケや。
まぁ俺は人のモンに手を出す趣味はないけど。

そんな事を思ってると、

ピンポーンピンポーン♪

インターフォンの音が聞こえたと同時に玄関から騒がしい声が聞こえた。


北「来たな。」

もう少し、こうして話していたい気もしたが、迎えの時間がきたようや。

名残惜しい気持ちを抑え、立ち上がった。








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