第20章 2人の日常
花火大会から数日後のインターハイで稲荷崎高校バレー部は準優勝という見事な結果を残した。
留守番を任された私は応援には行けなかったけど、ライブ配信を観ながら1人、PCに向かって声援を送った。
そして今夜は準優勝を祝って、たこ焼きパーティーをする事になったのだが…。
「・・侑君。ちょっと近い…」
侑「ん〜?そおか〜?」
たこ焼き機に生地を流し入れてトッピングを入れようとするが、隣に侑君がピッタリくっついて立っているため非常にやりづらい。
あやか 倫太郎 治「・・・・。」
「・・じゃあ、トッピング入れるのは侑君にやってもらおうかなっ?私はキッチンで洗い物でもしてくるから。」
私は笑顔を貼り付けて、トッピングを乗せたトレーを侑君に押し付けるとそそくさとキッチンの中に足を向けた。
侑「ほな俺も洗い物手伝うさかい!
おいサムと角名!ボーっとしてんと、後はトッピング任せたで。」
自分に押し付けられたトレーを2人の前に置くと侑は「ともみちゃーん洗いもん手伝うで〜」と言いながらキッチンの中に消えたて行った。
あやか 倫太郎 治「・・・・。」
あやかが顎をクイッと動かし、倫太郎と治に作れ、と無言で指示を出す。
倫太郎「・・うーっス。」
治「・・ツムのたこ焼きに辛子入れたろ…。」
侑の交際宣言から約1週間。
インターハイで数日離れ離れになったとは言え、侑のともみへの溺愛っぷりに3人はもはや呆れていた。
バレー愛が人より何倍も強い侑が、バレーと同じようにたった1人の人を愛したら…。
鉛、、いやそれ以上に重そうやな、、と治は思った。