第18章 2度目の夏。
治「やっと向き合う気になったんか。ったく遅いわ。」
呆れたような顔をしているサム。
そしてその向かいで角名は何も言わずにモグモグと食事を続けている。
侑「え?驚くとこやろ?」
俺の一言に、箸を置いた角名がハァ、と息をため息をつく。
倫太郎「これだから無自覚は…。そんなの去年の夏から分かってたっつーの。侑はバレー以外の事はほんとにポンコツだな。」
治「ハッ!確かにポンコツやな!てか去年の夏から分かってたとか恐るべし洞察力やな。」
侑「おっお前ら!人が真面目に話しとんのにポンコツポンコツ言うなっ‼︎」
倫太郎「ホントの事だし。」
するとそれまでニヤけてたサムの目が真面目な目つきに変わった。
治「ツムの顔見れば本気なんは分かっとるけど、ともみちゃん泣かせたら許さんからな。」
低いトーンの声に俺は頷いた。
サムが本気で好きだったのはようわかっとる。
侑「泣かせへん、大事にする。」
倫太郎「俺は別に何も変えるつもりもないから。ともみの事好きな気持ちは変わんないし。」
角名らしいっちゃらしいセリフに俺はハッと笑うと、立ち上がってて目の前の2人に挑発的な視線を向ける。
侑「ともみちゃんは俺が幸せにすんねん!ほんで将来はバレー界のスーパースター、宮侑のお嫁さんになるんや!」
治「・・・さぶ。てかまだ告ってもないのにようそんな事言えるな。」
倫太郎「ブフッ、これで振られたら笑いもんだな。」
侑「縁起でもない事言うな!明日の花火大会で告んねん。ええか?邪魔せんでな!」
明日こそ絶対決めるんや!
2人に話した以上、中途半端な事はせーへん。
そう改めて心に誓った。